「大変そうねぇ…こっち来る?」

カラリと背面にある窓が開き、のんびりした声が降ってきた。

「…、
「こびりついたブロンズのにおいが嫌いじゃなかったら、だけど」
「……」

どっちにしろ早くしないとあのチョコ集団、戻ってきちゃうよ?
にこにこと告げる横をすり抜けて部屋へと入り込んだ。




「毎年こうだっけ?」

カタカタと水入れが音を立てる。
放課後の騒がしさから隔離されたような
の中の静の時間。

「大差ないな」
「それはそれは…」

なにがそれはそれはなんだと顔を上げれば、
は手元を見つめたままお気の毒に。と肩をすくめていた。

「…そういうリアクションは」
「めずらしい?羨望と恋慕、嫉妬と執心が会長にはよく似合いますものね」
「去年言われたな」
「半分くらい八つ当たりだったけどね」
「それくらい語調で分かる」
「あ、そう」


半年前までは自分の片腕として共にいた。
その後は同じ校舎内にいることすら嘘のように遠くなった。


「…なぁ
「カモフラージュに付き合えはナシよ」
「言うかよ バーカ。 …じゃなくてそれ、随分熱心にやってるみたいだが…」
「してみる? 暇つぶしにはなるかもね」
「ああ。…手順は言えよ」

予想外の答えだったのだろう
目を見開いたは、それこそめずらしく素直な笑顔を見せた。